キッチンカー完成までの道 Part2
はじめに
こんにちは、KUKUTANAです。
今回は私たちが走らせているキッチンカーができるまでの過程を紹介する『キッチンカー完成までの道』シリーズのPart2をお届けします!
このシリーズの背景や前回の内容についてはPart1の記事を是非ご覧になって下さい。
今回のPart2では、キッチンカーの事業を始めるにあたって必要な「キッチンカーの設備」に重点を置いて紹介します。これを読めば、キッチンカーを購入する、もしくは改造をする際、特に重視しなければいけないことが分かります!
なお、本記事で紹介する保健所の営業認可に必要な設備条件等については、各自治体によって制限が異なる場合があるため、詳細は各自治体の保健所HP等をご確認下さい。私たちは埼玉県で申請をしたため、2022年5月時点の埼玉県の情報をもとに、ご紹介をします。

キッチンカーの設備で必要なもの
1. 給排水タンク
保健所の営業認可を受ける際、キッチンカー内部の様々な設備が審査ポイントとなりますが、その中でもスペックの違いで営業範囲や運用面で大きく変わってくるのが、「給排水タンク」です。
各自治体によって決まりは異なるため、あくまで私たちが申請をした埼玉県の例でいうと、給排水タンクの容量によって、以下のような違いがあります。
40リットル以上
単一品目のみ扱う簡易的な調理が可能。食器は使い捨てのみ。
80リットル以上
2工程程度までの簡易的な調理が可能。食器は使い捨てのみ。
200リットル以上
複数の工程からなる調理が可能で食器の制限なし。また、車内が仕込み場所として認められる。
この情報をもとに、私たちは「車内で仕込みが出来ること」と「複数品目を扱う可能性があること」の2点から、200リットル以上の給排水タンクがあるキッチンカーを希望しました。
私たちが見に行った中古のキッチンカーは、無事200リットル以上の給排水タンクを備えており、この点はクリアしました。
2. 流し台
給排水タンクに続いて、水回りの設備です。
流し台は主に下記の2点が、保健所の営業認可を得る上でポイントになります。
- 食材や洗い物を扱う流し台と、手洗い用の流し台が分かれているか
- 手洗い用の流し台は非接触で水が流れるようになっているか
「流し台が分かれているか」の項目については、仕切りがあるだけでなく、排水溝や蛇口もそれぞれについていないとNGです。
また、「手洗い用の流し台は非接触で水が流れるようになっているか」の項目については、2021年6月1日により施行された『改正・食品衛生法』により、キッチンカーの新しい設備基準として「非接触水道」が必須となりました。
私たちが見に行った中古のキッチンカーは、既に「非接触水道」が備え付けられており、手洗い用の流し台にボタン式スイッチがあることで、蛇口を使わずに足や肘で水を流すことが出来ます。
「非接触水道」は2021年6月から必須となり、施行されてから日が浅いため、中古のキッチンカーを購入する際はきちんと備え付けられているか確認することをおすすめします。

3. 電気設備
電気がないと後に紹介をする冷蔵庫や照明が動かせないため、扱う商材に関わらずほとんどのケースで電気設備は必要です。
私たちが見に行った中古のキッチンカーは、外部電源(出店場所に設置してあるコンセントや、発電機など)から電気を取る方式と、車のバッテリーから電気を取る方式で切り替えが出来るインバーターが既に搭載されていました。
実際に出店をする場合は外部電源から電気を取るケースがほとんどのため、中古のキッチンカーを検討する場合は、外部電源の設備とインバーターの有無を確認すると良いでしょう。
4. 換気扇の有無
「キッチンカーでは窓で換気が出来るので、換気扇は不要では?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、窓だけですと風が強い日は開けることが難しかったり、虫が入ってくるリスクもあります。
そのため、換気扇の設備があるかどうかも、中古のキッチンカーを検討する場合は確認するようにしましょう。
5. 冷蔵庫
食材の保存のために冷蔵庫は必須です。保健所の営業認可申請の際は、「温度計が外から見えるようになっているか」がポイントとして確認されます。
そのため、温度計がない場合は設置をし、外から冷蔵庫の温度が分かるようにしましょう。
6. 照明
照明設備はキッチンカーの電源から取らなくても問題はないですが、夜の営業をする場合は必須になってきます。私たちが見に行った中古のキッチンカーは、厨房部分とカウンター部分の両方に照明設備がありましたが、夜の営業をする際に温かみを出すため、キッチンカーの照明設備とは別で、白熱式のエジソン電球を活用しています。


7. ガス設備
最後にガス設備です。火力が必要な商材の場合、プロパンガスを設置できるスペースがあることが重要になります。私たちが見に行った中古のキッチンカーは、プロパンガスが設置できるスペースはあるものの、扱う商材がホットサンドのため、カセットコンロで十分でした。キッチンカーを検討する際は、商材に応じてガス設備がどこまで必要なのかを確認するようにしましょう。
その他気をつけるべきポイント
中古のキッチンカーの場合でも、改造をする場合でも「車の大きさ」を気にしましょう。大きいとそれだけスペースが取れるので便利ですが、運転の難易度が上がることや、出店場所によっては軽自動車サイズじゃないとNGという場合もあり、販売するメニューやキッチンカー事業の目的に沿ってサイズを考えるべきです。
私たちの場合、マツダのボンゴを改造したキッチンカーを中古で購入しましたが、元々がトヨタのハイエースのようなバンタイプのため、キッチンカーへ改造すると車体の長さが4.9m、高さが2.8mまで大きくなりました。普通車ではありますが、一般的な乗用車と比較すると、運転感覚もかなり異なります。高さがあるため厨房内の移動はしやすいですし、イベント出店の時でもインパクトがあるメリットがありますが、注意が必要です。

次回
今回は車の設備に関する紹介をしましたが、次回は車以外の部分でキッチンカーを始めるにあたって必要な手続き関連の紹介をします!